野鳥豆知識 水鳥を守ろう! ラムサール条約

有名な探鳥地の案内などを見ると、よく出てくるこの条約。
このサイトでも探鳥地案内で取り上げた尾瀬・渡良瀬遊水地・奥日光がこの条約湿地です。
では、どんな条約で、どれくらいの場所が指定されているのでしょう?
詳しくみていきましょう。

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どんな条約?

ラムサール条約とは、1971年イランのラムサールという場所で行われた国際会議で採択された湿地に関する条約で、正式には、

「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」

といいますが、一般的に採択市の名称を用いることが多く、ラムサール条約と呼ばれています。 京都議定書やワシントン条約と同じですね☆
この正式名称を見ればわかる通り、野鳥の住処としての湿地についての条約です。
思いっきり野鳥がらみの内容っぽいですね!!

もう少し詳しく見ていきましょう。

この条約に参加した国では、それぞれの国に一つ以上国際的に重要な湿地を指定して、条約事務局に登録をしなければなりません。
そしてその湿地・湿地にある生態系の保全・賢明な利用・交流や学習をしていきましょうというのが、簡単な内容です。
この条約の大きな柱となる考え方が、先ほどの保全・賢明な利用・交流・学習です。

保全とは、水鳥の生息地としてだけではなく・生態系を含めて幅広く保全・再生を進めるという考え方です。

賢明な利用とは、地域の人々の生活とバランスのとれた保全、生態系を維持しつつそこから得られる恵は有効にかつ継続的に利用していこうという考え方です。

交流・学習とは、この保全活動や賢明な利用を継続して続けるために、交流を図ったり、学習・教育・能力養成を図り、この活動を広く普及していこうという考え方です。

この3つの考え方をもとに、大きな意味での保全活動をしていこうという条約となります。

何か国が参加しているの?

現在参加している国は170か国に登ります。
世界の国の数(日本政府が承認しているもの)が196か国ですから、ほとんどの国が参加していることになります。

ちなみに、登録されている湿地は、2308か所もあります。
さらにその登録湿地の面積をすべて足すと、228,930,640haです。
東京ドーム約4870万個分です!! 完全に例えになってません(笑)
もう少し真面な例えをしますと、
日本の面積が約37,800,000haなので、日本の6倍もの面積が条約湿地です。

余り想像が付きませんが、広大な面積の湿地を世界中の国々が一緒になって保全しようという動きになっているのは、少し平和的でいい話です。願わくば残りのややこしい国家もいつかこの輪に入れるような平和な時代が来ればいいのですが、私の生きてる間には不可能ですかね。

まぁ脱線しそうなので、元に戻しましょう!!

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どんな湿地が選ばれる?

さて日本の6倍もの広さの湿地ですが、どんな湿地が登録されるのでしょうか?
何でも良い訳ではないんです。

その条件・基準とは以下の9つのうちどれかに当てはまることです。

  1. 特定の生物地理区内で、代表的、希少、または固有の湿地タイプを含む湿地
  2. 絶滅の恐れがある種・群集の生態を支えている湿地
  3. 特定の生物地理区における生物多様性の維持に重要な動植物を支えている湿地
  4. 動植物のライフサイクルの重要な段階を支えている湿地。または悪条件期間中の避難場所になっている湿地
  5. 定期的に2万羽以上の水鳥を支えている湿地
  6. 水鳥の1種または1亜種の個体数の1%以上を定期的に支えている湿地
  7. 固有な魚類の種・亜種・科、魚類の生活の諸段階、種間の相互作用、湿地の価値を代表する個体群の相当な割合を支えており、世界の生物多様性に貢献している湿地
  8. 魚類の食物源、産卵場、稚魚の生息地として重要な湿地。湿地内外の漁業資源の重要な回遊経路になっている湿地
  9. 鳥類以外の湿地に依存する動物の種または亜種の個体数の1%以上を定期的に支えている湿地

どうでしょう。
水鳥の・・・という条約ではあるものの、魚類・動物も含めて、生態系に重要な役割を果たしている湿地が選ばれるようになっています。

 

日本の登録湿地は?

さて、日本では上記の国際基準に加えて、さらに条件が設定されています。

  1. 国際的に重要な湿地であること(上記9つのうちいづれかにあてはまる)
  2. 国の法律によって将来にわたり自然環境の保全が図られること
  3. 地元住民などからの登録への賛意が得られること

この3番、地域住民の運動というのがかなり重要で、ここから保全活動・登録へ繋がっていくというパターンがかなりあります。
現在、日本では50か所が条約湿地として保全されています。

北海道

クッチャロ湖(大規模なガン・カモの飛来地)

サロベツ原野(高層湿原、ヒシクイ・コハクチョウの飛来地)

濤沸湖(低層湿原・湖沼、大規模なオオハクチョウ・オオヒシクイの渡来地)

雨竜沼湿原(高層湿原)

野付半島・野付湾(塩性湿地、タンチョウ繁殖地、大規模コクガン・ホオジロガモ渡来地)

阿寒湖(淡水湖、マリモ生育地)

宮島沼(大規模マガン渡来地)

風蓮湖・春国岱(汽水湖・低層湿原、タンチョウ繁殖地、大規模キアシシギ・オオハクチョウ渡来地)

釧路湿原(低層湿原、タンチョウ生息地)

霧多布湿原(高層湿原、タンチョウ繁殖地)

厚岸湖・別寒辺牛湿原(低層湿原、タンチョウ繁殖地、大規模オオハクチョウ・ガン・カモ渡来地)

ウトナイ湖(大規模ガン・カモ渡来地)

大沼(淡水湖、堰止湖群)

 

東北

青森県 仏沼(オオセッカ繁殖地)

宮城県 伊豆沼・内沼(大規模マガン等渡来地)

宮城県 蕪栗沼・周辺水田(大規模マガン等渡来地)

宮城県 化女沼(ダム湖、ヒシクイ・マガン渡来地)

山形県 大山上池・下池(ため池、マガモ・コハクチョウ渡来地)

福島県他 尾瀬(高層湿原)

尾瀬

 

 

 

 

 

 

関連:尾瀬の情報はこちらで紹介しています☆

探鳥地案内 尾瀬シリーズ 初夏の尾瀬沼6月

探鳥地案内 尾瀬ヶ原6月編

関東

茨城県 涸沼(汽水湖、カモ類飛来地、ヒヌマイトトンボ生息地)

栃木県 奥日光の湿原(高層湿原)

奥日光 戦場ヶ原

 

 

 

 

 

 

 

栃木県他 渡良瀬遊水地(低層湿原・人工湿地、オオヨシキリ・チュウヒ渡来地)

渡良瀬遊水地

 

 

 

 

 

 

群馬県 芳ヶ平湿地群(火山性の特異な特徴の中間湿原)

千葉県 谷津干潟(泥質湿地、シギチドリ飛来地)

谷津干潟

 

 

 

 

 

 

関連:奥日光・渡良瀬の情報はこちらへ☆

探鳥地案内 奥日光 戦場ヶ原

探鳥地案内 渡良瀬遊水地(谷中湖)夏編

 

中部・北陸

新潟県 瓢湖(ため池、コハクチョウ・オナガガモ飛来地)

新潟県 佐潟(大規模ガン・カモ飛来地)

富山県 立山弥陀ヶ原・大日平(雪田草原)

石川県 片野鴨池(大規模ガン・カモ渡来地)

福井県 中池見湿地(低層湿原、厚く堆積した泥炭層)

福井県 三方五湖(固有魚類生息地)

愛知県 東海丘陵湧水湿地群(非泥炭層湿原、シラタマホシクサ等の生育地)

愛知県 藤前干潟(河口干潟、シギ・チドリ飛来地)

TripAdvisor (トリップアドバイザー)

近畿

滋賀県 琵琶湖(淡水湖、大規模ガン・カモ飛来地、固有魚類生息地)

兵庫県 円山川下流域・周辺水田(河川及び周辺水田、コウノトリ、ヒヌマイトトンボ生息地)

和歌山県 串本沿岸海域(非サンゴ礁域のサンゴ群集)

国内&海外ホテル予約『トリバゴ』

中国

鳥取・島根 中海(大規模コハクチョウ他渡来地)

島根県 宍道湖(大規模マガン・スズガモ渡来地)

広島県 宮島(砂浜海岸、塩性湿地、ミヤジマトンボ生息地)

山口県 秋吉台地下水系(地下水系・カルスト)

 

 

九州・沖縄

佐賀県 東よか干潟(干潟、シギ・チドリ渡来地)

佐賀県 肥前鹿島干潟(干潟、シギ・チドリ渡来地)

熊本県 荒尾干潟(干潟、クロツラヘラサギ、ツクシガモ渡来地)

大分県 くじゅう坊ガツル・タデ原湿原(中間湿原)

鹿児島県 いた牟田池(ベッコウトンボ生息地)

鹿児島県 屋久島永田浜(アカウミガメ産卵地)

沖縄県 久米島の渓流・湿地(キクザトサワヘビ生息地)

沖縄県 慶良間諸島・海域(サンゴ礁、タイマイ等ウミガメの産卵地)

沖縄県 漫湖(河口干潟、クロツラヘラサギ渡来地)

沖縄県 与那覇湾(干潟、シギ・チドリの渡来地)

沖縄県 名蔵アンパル(マングローブ林、河口干潟)

以上が日本のラムサール条約干潟です。 どこもそれぞれに特徴があると同時に、

サンゴ礁やウミガメ等鳥以外のものを保全する意味での登録場所も意外と多いことに驚きです。

さいごに

今回はラムサール条約についてまとめました。 全国50か所意外と近くにあったという発見をした方もいるのではないでしょうか? 保全だけでなく教育等も視野に入れての条約ですので、多くの登録地には、ビジターセンターなどの資料館が併設されているはずです。

ぜひ、一度訪れてみてもよいのではないでしょうか? 新しい発見があるかもです!!

 

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